相続現場の本音

共有名義の土地の相続問題

長男の思惑で共有名義の土地だけ相続したが・・・。

都内のTさんは昨年母親を亡くし、
相続の手続きを済まされたとのこと。

父親が亡くなったとき財産の半分は母親名義とし、
残りのほとんどは長男名義としたとも伺いました。

相続人はきょうだい9人。長女が亡くなっているため、
代襲相続人も合わせると10人となりました。
Tさんは三男で6番目です。

T家は都心まで30分程のところにあり、
もともと農家だったことから財産のほとんどが不動産です。
所有地は私鉄の駅から徒歩5分から10分程度のところに分散しており、
宅地化が進んだ現在では、貸家やアパートにして賃貸収入を得ています。

実家を継ぐ長男が母親の相続でも中心となり、
長男の思惑どおりに進められました。
弟妹に分けた財産といえば土地を何人かで共有させた程度です。

相続税もそれぞれが払うようにということです。
そこで、土地を売却しようと共有者の意見はまとまりました。

ところがそこで問題が出てきたのです。

4人共有で相続した土地は、
長男名義の私道を通らないと入れない地形です。
売却するのに道路も必要ですから、長男に協力を求めたところ、
逆にただ同然で引き取ると言われれ、相談に来られたのでした。

幸いにその土地の隣地は共有者のうちのひとりの自宅があり、
公道から接道させることも不可能ではありません。

長男に協力を得なくても解決できる方法をアドバイスしました。
それでTさんは希望が出てきたと納得して帰られました。

ここで問題にしたいことは、相続手続きに関わった
税理士や司法書士が、なぜ良心的で現実的な遺産分割の
アドバイスをしないのか・・・ということです。

あとで相続人が困ったり、親族間のトラブルに発展するのが
目に見えている場合、いくら相続人の希望だとしても、
共有名義で済ませてしまうのは、プロとしての良識を疑いたくなります。

特に、不動産の共有の場合はトラブルが多いので、できる限り
単独にするように勧めるべきなのです。
いまだにこうした相談が多いことは、相続を扱う専門家に
問題があると思えます。

T家の場合も申告や手続きが済んだのは、今年の5月。
相続を扱う専門家の意識はまだその程度なのか、
と少しばかり憤りを感じたのでした。

16.7.30 理事長 曽根恵子


相続実例ReportMail Vol.7(2004.08.02発行)より抜粋)

株式会社 夢相続 : 2005年06月22日


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