相続現場の本音

弁護士と公正証書遺言

収益のある店舗の分け方は難題!遺言が問題になっているⅠさん

Ⅰさんの父親は都内で店舗を構えて、商売をしていましたが、
娘二人は嫁ぎ、Ⅰさんも家業を継がなかったことから、
廃業を決意したとのこと。

丁度そのころはバブル経済の最中、
土地の有効利用が盛んに行われていました。

商売の収入の代わりになるのであればと思い、父親は
店舗と自宅の土地70坪にビルを建てることを決意したということです。

しかし、とても建築費の蓄えはありません。
借入するには億単位になるので、不安があります。

そんなときにある建築会社から、
等価交換という仕組みがあることを教えられました。

土地を譲渡すればその分だけの建物が
自分の名義になり、負債はないと言うことです。

Ⅰさんの父親は等価交換し、土地は減りましたが、
ビル1階に40坪のフロアと3階に住居を確保することができたのでした。

1階の店舗はファーストフード店に貸すことになり、
毎月家賃が入ってくるので、土地が減ったとはいえ、納得していました。

父親は亡くなるまえに弁護士を通じて公正証書遺言を残していますが、
その店舗は母親が半分、姉二人が4分の1ずつの共有とされています。

Ⅰさんには別の土地を残しており、母親が亡くなったあとは
店舗の母親分をⅠさんが相続すればいいという含みのようです。

問題となることは1つの店舗が3人で共有となることです。

入ってくる家賃を分ければすむとはいうものの、将来はⅠさんや
姉たちの相続人が共有するので簡単ではなくなります。

遺言は父親の意思です。また、家賃が入ることは大きな魅力であり、
優良な財産ですから、当然ながら、姉二人は相続したいとのこと。

相談のときにアドバイスしたことは、
きょうだいで共有していくことは簡単ではないので、
余計な問題を残さないために、相続してすぐに、あるいは遅くとも母親が
亡くなったときには売却をして、個々に分けた方がいいということです。

もとはと言えば、弁護士が間に入って作った遺言の内容が問題です。

法定割合で共有させれば遺留分の問題はない
という程度では片付きません。

不動産があればどうしても法定割合どおりに公平にするには
難しいことですが、将来にもめ事を残さない配慮も必要だと痛感しました。
                          
16.9.5 理事長 曽根恵子

相続実例ReportMail Vol.12(2004.09.06発行)より抜粋)

株式会社 夢相続 : 2005年06月29日


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